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震災復興ヒジョン兵庫県知事ら講演
日本経済新聞1995年6月29日(木)
阪神大震災で被災した兵庫県 の復興ビジョンについて考える 講演会「大震災後の21Cへの新 ビジョン」が28日、東京・八重洲で開かれた市民団体「兵庫再生支援の会」の主催で、貝原俊民兵庫県知事や建設家の黒川紀章氏らが講演、約百人の聴衆は熱心に耳を傾けた。

基調講演では、ジャーナリス トの山根一真氏が「パソコン通信 を行政、多く市民が使いこ なせればお互いの連絡がスムーズにとれたはず」とマルチメデ ィア時代の情報網の重要性を強調。貝原知事は「兵庫は防災の大切さを今後30〜50年にわ たって人々に訴えねばならな い」と述べた。

アンテナ ・・・語り継ぐ責任(兵庫)
時事通信社1995年6月30日
 
「防災の大功さを今後三十年、五十年かけて情報発信していく責任があ る」。一月十七日の阪神大震災からほぼ半年。被災地では二万人の避難 民が生活の労苦を強いられるなど本格復興への道のりはなお遠いが、兵庫 県の貝原知事ほこのほど、東京都中央区のひょうご倶楽部で講演し、被災 県知事としての″語り継ぐ責任″を強調した。

講演会は、宮内淑子県参与が著名な財界人、学議経験者、ジャ−ナリストなどに呼び掛けた「兵庫再生支援の会」の主催。発起人でもあるノンフ ィクション作家の山根一真氏や現代人問科学研究所長の飛岡健氏、建築家 の黒川紀章氏の基調講演の後、同知事が謝意講演「復興の考え方」と題して約二十分間話し掛けた.

まず近代都市が大震災の前でいかにもろいものだったか、ボランティアの活躍にいかに胸を打たれたかを述懐した後、「水、食料などの調達は容 易だったが、それを運ぶ道路にネックがあった」と語り、わが国における フローの豊かさに比べたストック(社会資本)の貧弱さを反省点に掲げた。

そして「情報発信」に触れ、「例えば大地震が世界一の大都市・東京に発生したらどうなるのか。嫌われても構わないから、(私たち被災経験者 が)『防災性を重視した都市大改造を目指せ』と都民に訴えるべきだ」と 声を大きくした。具体的には、被災から復興までの情報・経験を蓄積して 情報発信する「防災センター」の設立を打ち上げた。

一方で、ストック不足の教訓からモデル防災都市づくりを緊急課題に掲げ、関西国際空港や明石大橋、山陽自動車道などの国家プロジェクトを最 大限に生かしながら、「他の施策を犠牲にしてでも・・・」との決意も強調し た。もっとも防災都市といっても、そこはしゃれ者の多い明るい市民性。 輸入住宅や留学生村、フリートレードゾーンの導入など「阪神文化を都市づくりにも発揮したい」と、最後は〃文化知事〃らしく締めくくり、満場の拍手を浴びていた.

震災支援の講演会
毎日新聞 1995年6月9日
 

コラム「そで振り合うも …」の筆者、宮内淑子さんが事務局代表を務める「兵庫 再生支援の会」は、28日(水)午後4時から東京・中央区八重洲1の3の3、呉服橋ビルのひょうご倶楽部 ・東京で「大震災後の21Cへの新ビジョン」をテーマに講演会を開く。
貝原俊民 兵庫県知事も出席の予定。

同会は阪神大震災直後に篠田正浩氏、三枝成彰氏、牛尾治朗氏ら著名人38人を発起人に組織。2百人近い会員が被災地への支援を展開してきた。当日は作家の山根一真氏、鎚穀家の黒川紀章氏、貝原知事らが都市防災や復興計画について講演。このあと交流会。若干名なから会員以外の参加可能。交流会には実費6千 円が必要。


東京でシンポ 被災地復興の在り方探る
常緑樹の森を各所に

高知新聞 1995年7月9日(日)

阪神大震災で壊滅的な被害を受けた被災地の復興の在り方を探るシンポジウム「大震災後のの21世紀への新ビジョン」が、このほど東京郡内で開かれた。情報、経済、都市防災の角度から、専門家による具体的 な提言が相次いだ。震災から半年。再建される都市像についての議論も本格化してきたようだ。

各界から町づくり提言
企業人や学者、ジャーナ リストなど、各界から英知 を集め、復興への支接を目指す民間団体「兵庸再生支 援の会」(宮内淑子代表)の主催。

ノンフィクション作家山 根一真さんは、地震直後の被災地を取材した経験から 「避難所では、安否の確認 などで情報の混乱が見られた」と指摘。避難者名簿の整理をパソコンで手伝い効果を上げたことを紹介し 「マルチメディアが危機状 況で役立つことを実感した」と話した。

「電話回線の復旧は非常に早かった。災害時に備えてホストコンピューターを遠隔地に設置しておけば、在宅でもどこにいても通信 は可能。複数個所とのやりとりも、電子メールを使えば全員に一度に配布できる」とパソコンの有効性を 強調した。

現代人間科学研究所所長の飛岡健さんは「世界の経済 構造が大きく変わっているのに、ばく大な資金を投 じて従来通りの産業構造を復元させようとしているにすぎない。それで世界に通用するのか」と、経済の立場から、復興の方向に疑問を投げ掛けた。

その理由として、飛岡さんは、不動産価格や株価の下落に象徴される「資産デフレ」と、アジア諸国の安い製品が日本市場を席けんしかねない「南北格差是正 デフレ」を挙げた。「10年、15年先の世界の変化を先取りして領興のターゲ ットを考えなければ。情報産業 を徹底して取り込んでいく視点が重要だ」と提言した。

都市防災の観点から発言したのは、建築家の黒川紀章さん。東京を例に取り組んだ大都市の耐震的町づく りのシミュレーションを基 に▽危険物分布マップの作成 ▽避難場所の学校と、病院、警察、消防とをデジタ ル無線で結ぶ緊急ネットワークの構築▽防火用水の地 下設置▽救助道具の備蓄▽ ガス、電気などの分散ネットワークの構築▽海水利用 型の消火栓設置−など、都市計画 のポイントを列挙し た。

その上で「将来の防災型都市 の条件は、水路を巡らせ、最小限200坪〔660u)の常緑樹の森を各所に造る以外にない。防災的な町は、環境に恵まれたいい町でもある」と、都市再生の方向を指し示し た。

貝原俊民兵庫県知事は「私たちには、30年から50年間は、防災の大切さを情報発信していく責任が ある」と、被災の経験を未来に生かす決意を表明。 「阪神の市民性はこだわりのない明るさだ。私たちの文化の特長を生かし、21世紀の日本を見据えて復興に取り組みたい」と締め くくった。